XR(Cross Reality)って何?
XRとは、現実世界と仮想世界を融合する技術の総称です。
簡単に言えば、世に存在するあらゆる現実拡張技術をまとめてXRと呼ぶわけです。

VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)などですね


ちょっと分かりにくいかもしれませんが、それぞれの現実拡張技術を紹介すれば、イメージは掴めると思います。
①VR(Virtual Reality)=仮想現実
バーチャルリアリティという言葉は聞いたことがある人も多いと思います。



XRの中でも一番馴染みのある技術ですね
ちなみにVRは、完全に仮想の世界です。
ただし、あたかもそこに自分がいるかのような「リアル没入感」を体感してもらう技術になります。



逆を言えば、どれだけその世界に夢中にさせられるかでVRの評価は変わるわけです


現実に実現されているVR技術
一番メジャーなのはゲームですね。
その世界に入り込んでゲームをすることで面白さの価値を上げてくれます。
また、訓練やシミュレーションにもよく利用されます。
現実では危険なシチュエーションでも、VRならばリスクを抑えた体験ができるわけです。


スポーツをする人ならば、一度は憧れの選手のようにプレーしたいと思うものでしょう。サッカーならドリブルで抜く感覚、バスケならダンクを決める瞬間。
現実には絶対に無理だからこそ、VRに期待します。
いつかは僕も、世界最高峰の動きが体感できますように…。
②AR(Aguemented Reality)=拡張現実)
ARは、現実の空間にデジタル映像を重ね合わせる技術です。
VRと異なるのは、全てがバーチャルではなく、まず現実世界の映像があり、そこへデジタル情報が足される点です。


現実に実現されているAR技術
美容業界
自分の顔写真の上に、試したい髪型が合成され、ヘアカットする前に、その髪型が似合っているかどうかが分かります。



ある意味、未来を読み取る技術ですね
インテリア業界
自分の部屋の写真の中に、買いたい家具が設置され、実際に購入する前にスペースの問題や外観のイメージが把握できます。


僕が欲しいのは車の運転中のARですね。
交差点で建物の陰に隠れて現実には見えていなくても、ARによって「飛び出してくる子供」の映像がフロントガラスに付け足されれば、事故は大幅に減ると思います。


③MR(Mixed Reality)=複合現実
MRは、現実世界と仮想世界を融合させる技術です。





ARとの違いが分かりにくいですよね?
はい。
ARは現実世界に仮想を表示するだけですが、MRではこの2つを密接に融合させ、リアルタイムに相互作用できるのです。
分かりやすく言えば、ARをもっと発展させたものがMRとなります。



仮想と現実の境目がないので、どちらが現実なのか分からなくなりますね
現実に実現されているMR技術
製造業や医療
遠隔地からでも支援ができるということです。
例えば、職人技の技術が必要な時、たとえ近くにいなくてもMRに参加してもらえばその技術を提供してもらえます。
また、過疎地で手術に必要な人員が足りなくても、MRで遠くのスタッフに参加してもらうこともできます。


僕はネッキャンメンバー全員とジェンガをやりたいですね。
皆さん、住むところもバラバラで多忙なので、全員が一堂に集まれたことはないじゃないですか。
でもMRを使えば、全員でこのゲームができますよ。
僕は意外と光さんが不器用じゃないかと睨んでいるのですが…。


④SR(Substitutional Reality)=代替現実
SRは、現実の映像を過去の映像や仮想の映像に置き換えることで、あたかもその状況が現実であるかのように体験させる技術です。



VRが完全に仮想の空間を作り出すのに対し、SRは現実世界をベースに一部を置き換えるだけなので、XRの中でも少しショボいイメージですね
SRはXRの中でも簡単な部類なので、誰もが簡単に作成できてしまいます。
世に出始めたフェイク映像には迷惑なものも多いですが、今後はこれを見抜く技術も必要となるはずです。


現実に実現されているSR技術
映画ならば実際に撮影した映像に必要なものを新たに足す技術で、今は当たり前のように使われています。
教育の分野でも、今の場所に昔の映像を付け足すことで比較がしやすいように加工されることがあります。


学生時代の教科書から入門書、学術書まで、全てをSR化してほしいですね。
そうすれば教科書を読むのが苦痛だったあなた(僕)も、積極的に知識を吸収できるでしょう。
⑤小まとめ
それぞれを簡単に説明してきましたが、正直、違いを正確に覚える必要はないでしょうw
そもそもVRとARとMRとSRが単独で使われるより、それぞれが混ざった形で提供されることが主流となるからです。
だからこそ混乱しないように、それをXRという言葉で一括りにしたのです。



迷ったら「あぁ、それXRね」と言っておけば間違いありませんw
これからはXRの時代が必ずやって来ます。
社会は警告はしてもブレーキはかけません。
スマホにせよタッチパネルにせよAIにせよ、拒絶すればその分だけ生活が不利になるのは避けられないのです。
XRをわざわざ学ぶ必要はないでしょうが、少しずつ慣れ親しんでいくのが吉だと思います。
XRが引き起こす未来
神楽坂と毛利の予測①
XRが新しいインフラとなる



私は、XRが水道や電気といった新しいインフラになりえると思っていますが毛利さんはどうですか?



はい。僕もそう確信していますが、それは今年ではないです



私の予想では10年後の2035年に、今のスマホのような感覚で誰もが使う技術になると思います





世間ではVRのブームは去ったと言われていますが…



最初の期待値が大きすぎたせいですね



あと、あのゴッツいヘッドセット。あんなの着けてたら不便でしょうがないw



コンテンツも思ったより出てこなかったですね。もっと皆が飛びつくようなものが出ると思ったのですが…



ただ、それらは全て時間が解決します。技術的な課題がクリアーされていけば、一気に火が付く可能性は秘めています





そもそもXRはブームではないですしね



確かに…。水道や電気にブームがないように、社会に必要なものは必ず皆が手にするようになります



まずはスマホにXRが装備されるでしょうね



間違いないッス





では、インフラレベルになったXRは、人類にどのような影響をもたらすのでしょうか? 次はそれを見ていきましょう



新技術は、新しい課題を人類に突き付けてきます!
神楽坂と毛利の予測②
XRが人の脳を変える?
XRが日常化していく近未来。
人々は、現実世界とバーチャル世界の二つの中で生きていくことになります。
ここでポイントとなるのは、私達の脳はこの二つの世界の違いを区別できなくなるということです。





「そんなバカな!?」と思う方もいるかもしれませんね
では、あなたに質問します。
妙にリアルな夢を見た後、しばらくその夢に引っ張られた経験はありませんか?
夢中で見た映画やアニメの世界観から、しばらく抜け出せなかった経験はありませんか?



ありまーす
脳にとって、リアルとバーチャルの壁はありません。
今の不完全な動画や夢で脳が混乱するレベルならば、没入感を追求するXRの全てを、脳はリアルとして受け入れてしまいます。



そうなると、逆に現実のほうがバーチャルに感じる可能性すら出てきますね
はい。
脳が感じていることこそ本物で、人生はただの概念であり夢や幻となります。



これは…一長一短ですなぁ…


ただし、今、リアルで幸せを感じられない人にとって、XRは大きな救いとなります。
XRの世界で幸せを感じれば、脳は区別することなく、「ただただ幸せ」と認識するからです。



人によって幸せはバラバラだと思いますが、XRはどうやってそれを作り出すのでしょうか?
自分が幸せと感じることを個別にオーダーしてもいいでしょうが、おそらく「幸せの種」がコンテンツとして大量に供給される(売り出される)と思います。



なるほど。「幸せ物質」の正体はすでに明らかになっていますものね
具体的には、興奮系の「ドーパミン」やリラックス系の「エンドルフィン」などですね。
それら脳内物質を、XRの力で引き出すことは、何も難しいことではないのです。





それらは医療現場でも使えそうですね
はい。
XRによって痛みを感じる神経回路を抑制できる可能性があります。
また、XRを用いた認知行動療法が、うつ病の症状改善に効果を示すことも報告されています。



リハビリテーションにもXRを用いれば効果が高まりそうですね
ですね。
で…、話を戻しますと、XRが身近になればリアルが幸せかどうかは関係なくなります。
リアルが幸せでなくてもXRに頼ればいいからです。
もっと言うと、リアルでの幸せを追及する人が減る可能性もあります。





ふむ…。要はコストの問題ですな
はい。
例えば1000円払って素晴らしいバーチャルを1時間味あわせてくれる電脳喫茶があるなら、リアルより安くすむので、そちらを選ぶ人が増えるでしょう。



それができれば、人間から「嫉妬」という感情が大幅に減りますね。リアルで幸せな人を見ても、あまり羨ましく思わなくなるというか…
ただ、これら脳内物質には別の呼び名もあります…



脳内麻薬…ですね
はい。
あまりにも作用が強いと、XRから離れた時に「もぬけの殻」となってしまったり、禁断症状が出るリスクがあります。



あぁ、僕の知り合いにも「アイドルのコンサートに行った翌日に、抜け殻になっている女性」がいます


他にもリスクはあります。
「健康への影響」「社会的な孤立」「依存の問題」などですね。



新しい技術が出てくると、必ず悲観論も起こりますよね…
悲観論自体は悪くないと思います。
それに対する準備、対策がとれるからです。



ふむ。そう考えると、逆にXRがブームにならなくて良かったかもしれません。
はい。
ですから私は、今後10年くらいをかけて少しずつXRに人類(の脳)が適応していくものだと考えています。
おそらく「健康への影響」や「社会的な孤立や依存の問題」は、一部で発生してしまうと思いますが、社会全体で対策も取られていくでしょう。





僕達の脳はXRによってどのように変わっていくのでしょうかね?
その答えは私には出せませんが、何とか適応すると考えています。
例えば、縄文時代から比べれば、私達の脳はかなりの変化をしてきました。
江戸時代の人の脳にXRを体験させればパニックになってしまうかもしれませんが、今の私達なら大丈夫ではないでしょうか?



人間の適応力は凄いですからね
はい。
人類はまさに段階を踏んで進んでいます。
これまでも産業革命やコンピューターの進化、AIの登場など、大きな転換点はありましたが、XRもそうなることは間違いありません。





普通、未来って分かりにくいものですが、これほど分かりやすいのも珍しいですね
そうですね。
2020年の時点で「AIの時代が来る」と予想できていましたから、ある意味、それと同じ流れですね。



では、そろそろまとめましょうか
はい。
2025年度版の未来予測としての結論は、「今後10年をかけてXRの世界が来る」となります。
では、最後までお読み頂き、ありがとうございました!



はばなぃー