出雲美紀
shape of heart
(2022年時点)
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美紀さんのイメージソングです(初期設定で音量が大きくなっている可能性がありますので注意してくださいね)
聴きながら読むのもありですねっ!
出雲美紀さんのエピソード集です(読みたいタイトルをクリックしてください)
出雲美紀という
性格の作られ方
出雲美紀
(幼少期)
性格形成の要因は二つある。
・持って生まれた「先天的な気質」。
・環境による「後天的な学習」。
そのどちらもエリートだったのが、自他共に認める「豆腐メンタラー」出雲美紀となる。
両親は、共に真面目を絵に描いたような地方公務員。
税務署に勤める3つ上の兄は、小さい頃から固いことで有名だった。
そんなDNAと環境の中、美紀自身もワガママを一切言わない「いい子」として育ってきた。
親のしつけで、口酸っぱく言われ続けてきたのは5つ。
1、誠実であれ
2、忍耐強くあれ
3、謙虚であれ
4、礼儀正しくあれ
5、質素倹約であれ
美紀は23歳になった今でも、その躾を「掟」のように守っている。
それはもちろん長所であり、これぞまさに出雲美紀なのだった。
ただ…、それが過剰に働くと、思わぬ副作用を生み出すこととなる。
例えば、上の5つをしっかり守る子供を、あなたはどう思うだろう?
クラスメイトとしては、正直、堅苦しくてうっとうしいだけではなかろうか?
実際、美紀の場合は、親の教えを守るほど、仲間外れにされたのだった。
「正しいことをやっているのだから、胸を張って学校に行きなさい」
母親はそう言ったが、殆どの子供は、正しいか正しくないかでは動かない。
やりたいかやりたくないかだった。
そしてやりたいことにブレーキをかけるものには、牙をむく性質を持つ。
大好きな両親の言うことは守りたいが、クラスの皆から変な目で見られたくもない。
そのジレンマの中、常にどちらの顔色も伺う性格が形成されていった。
美紀にとっては毎日が葛藤の連続だったが、時には友達と一緒にウソに挑戦してみたり、クラスメイトの悪口に乗っかってみたりもした。
しかし無理だった。
ウソも悪口も、言ってるそばからお腹が痛くなり、トイレに駆け込むしかなくなるのだった。
ちなみにトイレは教室を出て右側にあった。
そのため、「いずもみき」には「いつもみぎ」というあだ名がつけられた。
「美紀って言葉遣いが変だよね」
中学に入ると、複数のクラスメイトから、そう指摘された。
「そんなことないです」
「ほらそれ。敬語ばかりで固いのよ。言い方もかわいくないし…」
小さい頃から礼儀正しかった故の弊害なのだが、そう簡単には変われなかった。
乱暴な言葉を使おうとすると、今度は喉がキュッと閉まってしまうのだった。
試行錯誤した末の苦肉の策として、語尾を少し伸ばす独特の喋り方が誕生した。
「そんなことないですぅ」
「私なんて全然ダメですぅ」
評判は全く芳しくなかったが、これはこれで一つの「面白い出雲キャラ」として認知された。
美紀は…、変なあだ名をつけられなかっただけマシと思うことにした。
仮に、美紀がアインシュタイン並みの頭脳、クレオパトラ並みの美貌、オリンピック金メダリスト並みの運動能力、その1つでも持っていれば話は変わったのだろう。
しかし、美紀は全てが平均的だった。
平凡な中での人との違いは、劣等感につながってしまう。
美紀は、他人から違いを指摘される度に、自尊心が削られていくのを感じていた。
小学、中学の成績表には、漏れなく同じ文面が並んだ。
「自己評価が低すぎます。もっと自信を持ちましょう」
それで自信が持てるなら苦労はない。
先生ならばせめて、矯正してくれる魔法の呪文くらいは書いてほしかった。
美紀は、誰か特定の人間が苦手なわけではなかった。
むしろ家族も含めた全員が好きで、仲良くなりたかったのだ。
ただ時々は、嫌いという感情が芽生えることもあった。
例えば、眠りにつく前に【A子ちゃんならもっと上手くできるのかなぁ】と想像してしまう自分に対して…。
親は徹底した倹約家であったため、高校を卒業するまで外食もゲームセンターも映画も買い物もプリクラも禁止だった。
それは、クラスメイトと行動を共にできる機会や、喋れる共通の話題も無くなることを意味していた。
少ないながらも友達がいたのは、マンガとアニメが好きだったおかげかもしれない。
その話ができる友達ならできたのだった。
もちろん親がマンガを買うことを認めるはずはない。
が…、そこには盲点があった。
二人とも勉強のためならお金を惜しまない人だったので、たくさんの参考書の間にマンガを挟んで、少しずつコレクションしていったのだった。
当時の美紀に、誤魔化している意識も親を騙している罪悪感もなかった。
それは生物としての必須。
水泳の「息つぎ」のようなものだったから。
美紀は、高校を卒業するまで彼氏がいたことはなかったが、一度だけ告白されたことはあった。
密かに想いを寄せていたクラスメイトだったので、信じられない気持ちと嬉しい気持ちが交錯していた。
問題は、数少ない友人の1人が、その彼を「好き」と言っていたことだった。
悩みに悩んだ末、彼には「私、他に好きな人がいるんですぅ」と嘘をついて断った。
この時の精神状態はまさにネガティブの極地で、様々なマイナス感情が次から次へと襲い掛かってきた。
嘘をついた男子にも、秘密にしている友人にも申し訳なく、その行き場のない悲しみはトラウマとなり、しばらく美紀を苦しめた。
美紀は、決していじめられていたわけではない。
単に異色の目で見られていただけだった。
だからこそ他人の言動には敏感で、批判的な言葉や態度には、すぐに傷ついた。
小中高、12年間の自分を例えるなら、森の中で怯える小動物だ。
目立たないように、目立たないように…。常にそう心掛けていた。
しかし、高3の夏休みの終盤だった。
そろそろ学校が始まると気付いた時、突然、胸が苦しくなった。
再び、あの集団の輪に戻るのは耐えられないと思った。
溺れるようにもがいた美紀がたどり着いた岸は、占いの地だった。
そう。美紀は突然、マンガではなく占いにハマったのだ。
様々な占いを貪るように試してみた。
「当たる、当たらない」「合う、合わない」「心に響く、響かない」
繰り返し検証する中で、2人のお気に入りの占い師を見つけた。
その中の1人。日本版タロットカードを使う占い師の言葉に、美紀は心を鷲掴みにされた。
その言葉はプリントアウトして折り畳み、今でもお守りとして財布の中に入れている。
誰が何と言おうと、どん底だった美紀を救ってくれたのは、この占いだったのだ。
あなたの苦しみは今がピークです。ここからは歳を重ねるにつれ、楽になっていくでしょう。
今抱えている問題も自然と解決していきます。あなたが特に何かをする必要はありません。周りの方が変わっていきます。
5年後には、大きな出会いがあるでしょう。あなたの人生を左右する大きな出会いです。
あなたはそれを受け入れる準備を今のうちから始めて下さい。
その出会いを恐れることはありません。
あなたは、これまで我慢してきたことや耐えてきたことが、全て報われる喜びを感じることでしょう。
美紀は、この占いが自分に示された時、涙が止まらなかった。
この言葉を頼りに、残りの7ヵ月を乗り切ったのだった。
2017年4月22日
地方の国立大学に入った美紀は、長いトンネルを抜けたような不思議な感覚を味わっていた。
自分が変化した意識はないのだが、周りがそれぞれ自立した大人として接してくるので、余計な気遣いをする必要が無くなったのだ。
何より、誰も美紀の「違い」を指摘しない。何をどうしようと干渉してこない。
それはまるで、狭い村社会から広々とした自由国家へ転入したような爽快感だった。
【大人になるってこんなに素晴らしいことだったのか!】
美紀はますます5年後が楽しみになった。
大学生活。
それは想像以上に忙しい毎日だった。
教師を目指している関係上、取得すべき単位数が多い。
それに加え、飲食店でのバイトを始めたためだった。
学費までは稼げなくても、生活費くらいは親に迷惑をかけたくなかった。
親からの「掟」。
不思議なもので、大学に入ってからは、感謝する機会が増えてきた。
例えば、嘘をつかず誠実なところは、バイト先で大きなアドバンテージとなった。
仲間からの信頼もお客さんからの好感度も上げてくれた。
何より、忍耐強くあるおかげで、今の勉強にバイトに忙しい日々をがんばれている。
謙虚であることは、学習効果を上げてくれた。満足せず、その先も学ぶ姿勢が確立されたのだ。
また教えがいがあるということで、複数の教授からかわいがられた。
礼儀正しくあることは、教師としての自信を与えてくれた。勉強以外にも子供達に教えてあげられることがあるのだと。
質素倹約で良かったことは、生活費が周りのコの半分で済むことか。
いいか悪いかは別にして、金銭面で助かるのは間違いなかった。
もちろん「掟」の弊害は、多少は残っている。
相変わらずノリは悪いし、人の目は気になるし傷付きやすい。
それでも昔から比べれば、遥かにマシ…というより天国だった。
2019年4月2日
月日は順調に流れ、大学生活も1年を残すだけとなった。
来年は、いよいよ社会人として世に羽ばたくのだ。
そして、占いに書かれていた「大きな出会い」までの猶予は、あと2年となった。
初めて読んだ高3の時は、何をどう準備すればいいのか分からなかった。
ただ、今はボンヤリと感じている。
自分の性格は、おそらく変わらないし、変わらなくていいのだろう。
準備とは、今のうちにたくさん学習し、色々な経験をし、自分の枠を広げておくことなのだと。
どんな出会いであれ、受け入れられる大きな器を。
その準備をしっかりと!
-f i n-
謙虚さはネッキャン随一ですよね。自分を豆腐メンタルって言っていること自体が謙遜ですし
んー、ネッキャンに入ったのは、さらに1年後よね。では一体、1年前には、どんな「大きな出会い」があったんだろう?
僕とはまるで逆ですね。僕は大人になるほど毎日が大変になってきましたぁー
素敵な出会い
当時の日記より
今日、私に奇跡のような出会いが起きました。
4年前に、Bサインがリニューアルオープンしたのは知っていたのです。
ただ当時の私には、外食もお弁当を買う習慣もなかったため、入店したことはありませんでした。
ずっと外から眺めてきた「Bento&Sweets Bサイン」の看板。
それがいよいよ今日、入れるのです!
曇天なのに、色鮮やかでお洒落に見えています。
胸の高鳴りを感じながら、想像より広かった店内に入ると、当初の目的通りスイーツコーナーを目指しました。
【わーーっ!】
マカロン、エクレア、マドレーヌと順に目に入ってきましたが、その奥にあるクレームブリュレのチーズケーキとオペラケーキで完全に目の動きは止められました。
クレームブリュレの黄金の輝きは、まさに2月13日にふさわしい気がします。
しかしオペラケーキの重厚なブラウンも、大人になった2月13日を印象付けるのです。
もう一度クレームブリュレを見ました。
クリームチーズの層が重なっていて、そこにバニラのアクセントが添えられています。
表面は焦がしキャラメルの色が魅惑的に広がっていて、口に入れた時の感触の素晴らしい想像を抑え切れません。
対するオペラケーキは、レイヤーになったビスキュイにコーヒーバタークリームとチョコレートガナッシュが交互に重なっていて、まるでアートのような外観です。
こちらは食べるのが勿体ないというか、見ているだけで幸せな気持ちになれます。
私はどちらにすべきか、ずっと躊躇していました。
お金がないわけではないので、どちらも買うという選択も無くはありません。
問題は罪悪感がつきまとうことでした。
せっかく勇気を出してBサインに入ったのに、まだ親からの「贅沢はするな!」「質素倹約!」という呪縛と戦っているのです。
「大丈夫ですか?」
お店の人に声をかけられて我に返りました。
西日の加減なのか、話しかけてくる女性店員の顔が妙に眩しく見えました。
「すごく真剣に迷われていますね。それほど大切な方へのプレゼントなんですね?」
「いぇ、自分へのプレゼントなんですぅ…」
正直に答えたものの、急に恥ずかしくなって付け足しました。
「あ、私、今日が誕生日なので…」
「そうですか! それはおめでとうございます!」
その弾むような笑顔だけでも嬉しかったのに、彼女はさらに喜びの単語を付け加えてきたのです。
「今、当店では誕生日の方に限り、ケーキをもう一個サービスキャンペーンをやっていますので、ぜひお二つともどうぞ!」
これが斎藤さんとの初対面です。
今日は2022年の9月7日。
今では色々と、当時の舞台裏が分かります。
なぜ店内のスイーツがフランスのものばかりだったのか。
なぜ西日など当たっていなかったのに、斎藤さんの瞳が、光り輝く栗色に見えたのか。
なぜ店長である斎藤さん自らが、わざわざ私に声をかけてくれたのか。
なぜ間抜けな私は、「誕生日もう一個サービスキャンペーン」などという嘘を信じてしまったのか。
そしてなぜ私が、初めて罪悪感を持たずにBサインの常連客となれているのか。
今ではそれらが全部、嬉しいくらいに分かります。
去年の私の誕生日。
それは私の人生におけるターニングポイントとなるプレゼントが贈られた、素晴らしい日でした。
大事なことなのでもう一度言わせてください。
私は、斉藤千歳さんと初めて会った2021年2月13日を、決して忘れることはないでしょう!
-f i n-
美紀さんと千歳さんらしい微笑ましいエピソードですわね
あぁこれが矢祭さんの占いに書かれていた「大きな出会い」だったのね!
フッ。2023年の2月13日も期待していて下さい。きっと忘れられない誕生日にしてみせますよ
高見さんとの初対面
当時の日記より
あ
高見さんと初めて会ったのは、2022年8月8日。
私がネッキャンミーティングにデビューした、記念すべき日です。
休憩中、隣の席で雑談していた高見さんから、思わぬ提案を受けました。
「そう言えば、美紀さんは断れないタイプと皆さんから聞きましたが、ちょっと私の言うことも聞いてもらえないでしょうか?」
「はい。そう言われたら断れないですねw」
私にしては上出来な返しだったのですが、高見さんは一切笑わず、むしろ真剣な表情をしながら口と手を動かし始めました。
「簡単なゲームをします。まず立ってください。はい座って下さい。はい立って、座って」
【これは体力測定ゲームなのでしょうか?】
私は、戸惑いながらも高見さんの指示に従いました。
しかし…。
「立って、座って、立って、座って、立って、座って、立って、座って…」
これをいつまでも延々と…。
一向に高見さんの言葉が止まる気配がないのです。
次第に息を切らす中、私自身、思いもかけない言葉が出ました。
「高見さん、もういやなんですけど…」
意外だったのは、高見さんが、心底ホッとしたような顔を見せたことでした。
「あぁよかった。いつまでこんな指示をしなきゃいけないのかと苦痛だったんです。ありがとうございます、断ってくれて」
私は雷に打たれたかのような衝撃を受けました。
断ることが相手のためになることもある。
それを体験として学んだのです
あれから2か月が経ちました。
未だに断るのが下手な私ですが、「無条件に断れない自分」からは卒業できました。
自分のためにも相手のためにも、「断るという新しい選択肢」を手に入れたからです。
それにしても高見さん。
噂では聞いていましたが、噂以上の人でした。
初めて会った私をすぐに変えてくれたことにも驚きましたし、感謝の気持ちで一杯になりました。
ありきたりの言葉で申し訳ありませんが、これからもよろしくお願いいたします。
-f i n-
そのゲーム、私だったらすぐにキレてるけど、やっぱり「人を見て法を説く」ということよね
麻衣子さんには絶対やらないでしょ。やっぱ分かってますよねぇ、長老は
獅子王丸へのレクチャー
TVを見ていてもそうですが、最近の若者は敬語を使えないのですね
今の子は人を見て使い分けている感じがします。敬語とタメ語が逆転していますが…
逆とは?
信頼する大人に対しては親しみを込めてタメ語で話してきます。逆に、嫌悪感を持つ大人に対しては、距離をとる意味での敬語を話すのです
ほぅ…
最近、私なんかは、生徒からタメ語で話しかけられるほうが嬉しかったりするんですよ
あっ!もう津雲っち、椅子の上に足乗せるのやめなよー
おーおー!お前は口の利き方がなっていないなぁ!
あ、裕木さん、昨日、コーヒーフィルターが切れてしまったので、補充をお願いします
あーーっ! こ、これがっ!?
はい。そういうことです…